■ 新年インタビュー
食品分野で差別化を推進
フォルボ・ジークリング・ジャパン 佐藤守社長
昨年10月に設立50周年感謝の会を開催したフォルボ・ジークリング・ジャパン。佐藤守社長に、ベルト部門の状況や今年の展望などを尋ねた。
◆昨年を振り返って。
50周年記念行事としてステークホルダー向けに感謝の会を実施した。常日頃お世話になっているお客様に対して直接感謝の気持ちを伝えることが出来非常に良かったと実感している。50周年に合わせたキャンペーンやイベントを通じ、販売店やユーザーへの情報発信も行うことができた。
19年12月期は、計画を達成し、売上は前年比2%増、利益は微増を見込んでいる。3~4%増を期待していたが、主力の食品分野を始め、全般的にやや苦戦した印象だ。その中でも、引き続き堅調な物流分野に加え、工業分野で年末にかけて需要が伸びたほか、繊維関係なども少しずつ販売を伸ばすことができたと思う。
◆製品別の動向は。
昨年は厳しい事業環境を想定し、将来の成長につながることを念頭に置いて事業を展開した。
その一環として、食品分野で注力する「Prosan(プロサン)フルシールHACCPシリーズ」について無料トライアルキャンペーンを4~9月にかけて実施した。戦略商品と位置付ける同製品は、非常に好調だった。
主力製品である搬送・加工工程用樹脂ベルト「トランジロン」は引き続き好調で予算をほぼ達成している。一方で、伝動用・軽搬送用平ベルト「エクストレマルタス」やモジュラーベルト「プロリンク」は期待値ほどの伸びを見せなかったので、今年の課題の一つとしたい。
◆販売性向上に向けて。
代表取締役就任以来、毎年販売を5%程度向上させることを公言してきた。販売力を上げるためには、同時に静岡工場でのベルト原反生産の改善・向上が必要不可欠である。また、ベルト加工のスピードアップを図ることでタイムリーに出荷する体制を整えることも大切だと考えている。
◆今年度の展望を。
20年12月期は、前年比3%増の売上を計画する。主力の食品分野では、引き続き新規需要開拓に力を入れていきたい。食品分野は、参入するメーカーが増え競争が激しくなっているので、差別化を進め、トータルな提案力を高める必要がある。
物流分野は、大型物流センターの建設が進むことから成長が続くと見られ、販売を伸ばしたい。
工業分野など他の分野の底上げも図っていく。
◆今年の抱負は。
日本の市場環境は先行き不透明であり、経営面でより厳しい立場に直面することも覚悟している。当社がより成長するためには、当社の成長戦略に基づき、全社員が同じ志を持って、これまで以上に挑戦していくことが必要である。その上で、売上や利益面で予算を達成することが重要である。社員が戦略を実行するためにしっかりと議論を行い、共通の認識を持った上で、確実に成果を出したい。
■アングル■
樹脂ベルト業界も遅かれ早かれ環境問題に対する本質的な対応が求められると話す佐藤社長。技術的なハードルも高いが、将来的にはケミカルリサイクルなどの必要性も語っていた。
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