三菱ケミカルホールディングスは12月9日、企業が環境・人・社会に与える影響を反映させた新たな企業価値算出手法の確立を目的に設立された「バリュー・バランシング・アライアンス」(VBA)に日本企業として初めて参画すると発表した。
VBAは、今年8月にBASF、ボッシュ、ノバルティスほか欧米韓の世界的企業8社によって設立された非営利団体となる。OECDや複数の監査法人と協力し、ライフサイクルアセスメントの考え方を環境影響のみならず社会影響にも展開するなど、企業が環境・人・社会に与える影響を金額換算し、企業間で比較・分析できるようにする企業価値算出の手法とそれに基づく会計基準を今後3年かけて確立することを目指している。金額換算する例として、人材育成による人的資本形成への寄与や雇用や納税による社会への貢献などが挙げられる。
同社は、今年12月からVBAのステアリングコミッティおよび企業価値算出の手法開発を担うチームに参画する。近年、ESGの取り組みを中長期的な企業価値の評価要素とすることが定着化してきており、同社グループにおいては、社会価値と経済価値を持続的に両立させることで企業価値「KAITEKI価値」の向上を推進している。こうした状況の下、VBAに参画することでESG要素を内包したKAITEKI価値算出の高度化を図っていく。