DICは12月10日、三重県の四日市工場で製造するポリスチレン(PS)の生産能力を、設備強化や生産プロセスの最適化を行うことで年産20万8000tから21万6000tに増強したと発表した。2023年にはPS事業の売上高を2017年比で10%増加することを目指す。
PSはコンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている弁当・惣菜向けの食品容器等に多く用いられている。共働きや単身世帯の増加などを背景に、調理済みの食品を持ち帰って食べる「中食」市場を中心に需要が拡大している。日本惣菜協会発刊の2019年版惣菜白書によると、2018年の中食の市場規模は約10兆円で、9年連続で市場が拡大している。昨今では、レンジアップ惣菜といわれる新ジャンルの中食が登場し、生の食材をプラスチック容器ごと電子レンジで加熱調理する惣菜も増加している。
同社は、成形性と高強度を両立した高機能タイプのPS製品「ハイブランチ」ブランドに加えて、高い耐熱性を有した新製品もラインアップしている。新製品の耐熱性は、汎用のPS樹脂に比べて5~10℃程高く、レンジアップ惣菜の調理用途にも使うことができる。さらに、リサイクル性にも優れ、総重量の削減による省資源化を可能にするなど環境配慮型製品としての特長も有している。