謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、米中の貿易摩擦の長期化等を背景として世界経済は減速感が色濃くなり、国内の景況感も徐々に悪化の度合いを増しました。
また、2度の大型台風による被害も甚大であり、国民生活は大きな影響を受けました。
こうした中で国内ゴム製品の生産は、自動車用タイヤは輸出を中心に秋口までは堅調に推移しましたが、工業用品は資源関連向けでの落ちこみや最大の需要先である自動車向けの製品で国内生産が減少しました。
原材料面では、世界経済の低迷もあり、天然ゴム価格は2018年とほぼ同一の水準で推移し、合成ゴムをはじめとする石化製品価格は2018年と比べると下落しましたが、エネルギー価格は電力、ガスともに上昇したほか、人手不足による輸送費の上昇が顕著となりました。
一方、自動車産業をはじめ、世の中はかつてない変化の渦中にあります。ゴム製品や業界へも様々な影響が予想されますが、ゴム自体は我々が生活するうえで欠くことができない素材であり、その特性や魅力を活かしていけば需要先もまだまだ開けていくと思われます。
ピンチをチャンスに変えることは、これまでも色々な場面で経験してきました。
そのためには基本をおろそかにせず、時代の変化に応じて自らの製品や技術を常に見直し、強みに磨きをかけ、現状にとどまることなく可能性や価値を創出していくことが肝要と考えます。
また、我が国のゴム産業はグローバルに活動を行っており、製品開発や販売に際し、世界的な課題に対応していくことが求められています。これからも世界の市場で成長していくためには、いち早く情報を掴み、それに対応していく必要がありますが、テーマによっては日本のゴム業界として協働していくことが不可欠と考えます。
当会では、これまでも地球温暖化対策、廃棄物削減、化学物質対策などの環境活動、国際規格を含む製品や技術規格の標準化、安全面や品質管理の強化、持続可能性の追求などについて業界共通の課題として対応して参りました。
今後もこうした事業を継続していくことは勿論ですが、世の中の変化に対し、工業会としてどのような事業を行えば会員の皆様のお役に立てるのかを念頭に置いて活動して参りたいと思います。そのためには、会員各位の積極的なご意見やご提案、並びにご支援が重要となります。
年頭に当たり、会員各位の一層のご発展を祈念いたしますとともに、関係各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げ、挨拶と致します。