■ 新年インタビュー
ライフサイエンス事業に傾注
JSR 川橋信夫社長兼COO
昨年6月に就任したJSRの川橋信夫代表取締役社長兼COOに、19年を振り返りつつ、20年の事業戦略と抱負を聞いた。
◆19年を振り返って。
エラストマー事業と合成樹脂事業では、中国と欧州で景気が低迷し、特に中国で自動車生産が落ち込んだ影響を受けた。
一方で、戦略的に取り組んできた3つの分野では、効果が出ている。
1点目に、エラストマーでSSBRが年率10%以上の成長を維持している。戦略的投資をタイに続きハンガリーで実施し、グローバルに展開している。販売拠点が世界7拠点となり、インドを含めたアジア、米国、欧州を網羅し、販売体制も整った。
次に、半導体材料も伸びている。リソグラフィ材料、実装材料、機能性洗浄剤が伸長している。ディスプレイ材料は、今後も引き続き成長する中国に傾注していきたい。
3点目はライフサイエンス事業で、抗体医薬関連の創薬支援サービスが好調だった。
上半期は結果的に全社では減収減益となったが、力を入れている分野は順調に伸ばすことができた。
◆マネジメント体制の変革について。
当社の売上収益やグループ会社数は、日本以外が50%を超えており、グローバルにマネジメントする目的でCEOを設けた。エラストマー事業も欧米に拠点を置くなどグローバルに展開できている。合成樹脂事業もテクノUMG発足によるシナジー効果がグローバルに表れている。CEOとCOOが協力し、うまくグローバルにマネジメントできているのではないか。
◆20年の展望は。
エラストマー事業や合成樹脂事業は引き続き中国、アジアが低調で厳しいだろう。半導体材料事業ではやや明るい兆しが見えてきた。このような