ブリヂストンは12月18日、タイヤの内面に貼り付けたセンサーにより、走行時にタイヤが路面と接触したときに発生するひずみを計測することで、タイヤの荷重と摩耗状態を推定する技術を開発したと発表した。
この技術は、新開発のスマート・ストレイン・センサーでタイヤの空気圧や温度に加えタイヤが路面に接触している部分のタイヤのひずみを測定し、そのひずみデータを独自のアルゴリズムによって荷重、摩耗の情報へ変換して、収集することができるものとなる。従来の同社のタイヤセンシング技術であるCAISは加速度を計測する手法だが、同センサーは、速度に依存しないタイヤのひずみを計測するため、極低速度域でも信頼性の高いデータを収集することが可能で、独自のアルゴリズムによって電力寿命の大幅な改善を実現した。
同センサーにより、タイヤが路面と接する部分のひずみや時間を波形データとして得ることができるが、この波形データはタイヤにかかる荷重や摩耗の状態によって異なるため、同社で従来より培われたタイヤ技術の知見とAIを活用した独自の解析手法によって、タイヤの摩耗状況やタイヤにかかっている荷重を推定することができる。これにより、「タイヤの溝が浅い」などのタイヤに関するさまざまな情報をリアルタイムで把握することが可能となる。また、車両管理者が遠隔でリアルタイムにモニタリングすることも可能となる。その結果、適切なタイミングでのタイヤ交換が可能となり、タイヤメンテナンスの軽減や、タイヤトラブルの未然防止が可能となることから、安全性の向上につながる。また、将来の自動運転社会における安全な走行制御への活用が期待できる。