ランクセスは12月18日、バイオサイドの有効成分および製剤における世界有数のメーカーとしてのポジション強化を図るため、ブラジルのItibanyl Produtos Especiais Ltda社(以下、IPEL社)を買収すると発表した。
両社は、11月28日付けで買収に関する合意書に調印し、買収価格を公表しないことで合意している。事業譲渡は、関係各国の独占禁止法規制当局の承認を経て、2020年第1四半期までに完了する予定。
IPEL社はブラジルのサン・パウロ州ジャリヌに本社を構えるブラジルの大手バイオサイドメーカー。18年度の売上高は約数千万ユーロを達成している。
同社の経営委員会メンバーであるレニェー・ファン・レッセル氏は「この買収は、利益性の高い特殊化学品に注力するランクセスの事業戦略に完全に合致している」と述べている。
ブラジルのIPEL社の買収によって、同社の物質保護剤ビジネスユニットはグローバルのプレゼンスを強化するだけでなく、現地の製造拠点から南米の顧客にサービスを提供することができるようになる。現在、同ビジネスユニットは約540名の従業員を擁し、ドイツのクレフェルト―ユルディンゲンとドルマーゲン、イギリスのサドベリー、アメリカのピッツバーグとメンフィス、インドのジャガディア、中国の常州、シンガポールに製造拠点を有している。
物質保護剤ビジネスユニットの製品群は、抗菌の有効成分や保存剤など、非常に幅広い用途で世界中のあらゆる場所で使用されている。同ビジネスユニットは、塗料・コーティング、消毒剤、木材保護、建設業界、飲料業界など様々な産業分野の顧客ニーズに応じたソリューションを提供している。また、同ビジネスユニットは総合的な技術サービス、規制対応サポート、プロジェクト型の研究・開発サービスを提供している。
同社は、IPEL社の約100名の従業員と製造設備に加え研究施設を引き継ぐ。さらに、この買収により、同社は戦略的に重要な中間体製品への参入の機会を果たす方針だ。