ランクセスは12月18日、3Dプリンティング(アディティブ・マニュファクチャリング)用の樹脂に配合できる次世代の低遊離(LF)イソシアネート・ウレタンプレポリマーの提供を開始したと発表した。
すでに同社では、3Dプリンティングの企業複数社と協業し、この樹脂の製造を開始している。
「アディプレンLF pPDI(パラフェニレンジイソシアネート)」プレポリマーをベースにしたこれらの高性能樹脂は、加工が容易で、製造メーカーのみならず一般家庭、オフィス、小売においても高い安全性を確保する。
フットウェア業界は、3Dプリンティング技術の主要なユーザーで、ミッドソール、アッパー、および、かかとやつま先などの構造用部材に利用している。フットウェアの部材は、非常に柔らかいエラストマーとより硬いエラストマーの両方が必要な設計になっている。 LFプレポリマーは印刷可能な樹脂に配合する際に幅広い柔軟性を備えるため、クッション用の非常に柔らかいエラストマーから構造上必要な部材まで様々な硬度で印刷することが可能となる。それにより、3Dプリンターによる大量生産のカスタマイゼーションを促進する。
これらの部材の性能においては、高い曲げ強度と幅広い使用温度が重要となる。「アディプレンLF pPDI」プレポリマーは、優れた低温・高温耐性、強靭性、および、化学薬品と摩耗に対する耐性を提供すべく設計されている。150度Cで最大6週間の耐久性という高度な品質保持性能によって、例えば運動靴は、高温の車内でも劣化せずに長期間保管できる。加えて、より高い曲げ疲労耐性、および、マイナス20度Cまでの低温曲げ性能はフットウェアの部材としてのメリットを発揮する。