カネカは12月19日、同社高砂工業所において、「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(以下、PHBH)の能力増強工事を予定通り終え、12月17日に竣工式を行ったと発表した。投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍にあたる約5000t/年となった。
同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーであるPHBHは、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。
欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは2020年1月から規制が厳格化され、PHBHの販売は急拡大する見込みとなっている。国内では、セブン―イレブン・ジャパン全国約1万店舗において、11月からセブンカフェ用PHBH製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、5000t/年プラントは早期にフル稼動になる見通しだ。
今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため、早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しとなっている。