年頭所感 日本ホース金具工業会 蜷川広一会長

2020年01月01日

ゴムタイムス社

 2020年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昨年は5月1日に第126代天皇が即位され、30年余り続いた「平成」が終わり「令和」に同日改元され、新しい時代がスタートとなりました。また、ラグビーワールドカップ日本開催/初のベスト8/OneTeam、女子プロゴルフ42年ぶりのメジャー制覇など感動を与える明るい話題の多い年でありました。一方で、一昨年に続き台風等の度重なる自然災害が日本各地に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しく、これら自然災害により被災された皆様には、謹んでお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り致します。

 内閣府が12月9日に発表した2019年7~9月期の実質国内総生産(GDP)の改定値は、前期比でプラス0・4%、年率換算でプラス1・8%となり、11月の速報値から上方修正されました。民間企業の設備投資を中心に幅広い内需項目が上方修正され、内需の堅調さがより際立つ結果となりました。

 10月の景気動向指数は6年8カ月ぶりの低水準となりました。消費税率の引き上げと大型の台風が重なり、生産や出荷などの指標が軒並み悪化しました。

 大手需要先である建設機械は国内需要が非常に好調でしたが、10月は台風19号の影響で物流や部品メーカーの被災による生産調整があって、13カ月振りに前年同月比でマイナスとなりました。メインの油圧ショベル国内向けの10月は前年同月比84・1%となり1~10月では同122・5%となりました。

 工作機械の11月受注額(速報値)は前年同月比で62・1%と大幅マイナスとなり、14カ月連続マイナスとなりました。米中貿易摩擦の影響から自動車関連を中心に米中向け受注の落ち込みが大きく、企業が設備投資を控える動きが鮮明となりました。

 さて、当工業会の需給状況ですが、上記のような影響を受け、昨年1~10月の出荷実績は554・5億円(前年同期比99%)となっております。内訳は産業用ゴムホースが419・3億円(前年同期比102%)、自動車用ゴムホースが40・6億円(同78%)、樹脂ホースは63・1億円(同96%)、付属金具は31・5億円(同89%)でした。

 2020年の景気ですが、経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数もやっと上向きに転じており、米中貿易摩擦も改善の方向が見え始めています。半導体をはじめハイテク分野の在庫調整も進み、先行指標はプラス目前となっております。2020年東京オリンピックが7月より開催されますし、政府の26兆円規模という大型の景気対策効果にも期待し、良い年になることを祈念しております。

 当工業会の昨年度の事業活動ですが、例年通りホース及び継手関係のISOの審議に積極的に参画して参りました。

 ISO/TC45(液圧用ゴムホース及びプラスチックホース)関連では、10月にドイツ・ベルリンで行われた国際会議をはさみ4回の国内審議会が開催されました。

 ISO/TC131(油圧・空気圧システム及び要素機器)関連では4回の国内審議会が開催されましたが、10月に開催されたイタリア、ミラノでの国際会議は、ホース関連の議題がないので委員の派遣は見送りました。

 1994年に改正して以来見直しをしていなかった団体規格JHCA―STD―5―1994(液圧用ホースアセンブリ用語)の見直しを昨年より開始しております。本年上期中には完了させる予定でございます。
本年も10月にTC45、TC131ともに国際会議が開催されますので参画し、日本の考え方をISOに反映させ日本規格の国際化を推進する活動を更に推進して参ります。

 当工業会といたしましては、これからも会員相互の発展を促進する為、技術の向上並びに普及を図り、公共の安全を確保すると共に、関連業界の発展のために努力して参ります。

 年頭に当たり、業界の益々のご繁栄と皆様方のご健勝を祈念申し上げますとともに、倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

蜷川会長

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