■ 新年インタビュー
福島工場の復興に全力
オカモト 田村俊夫社長
「身近な暮らしを科学する」を合言葉に、生活用品事業や産業用製品事業を展開するオカモト。昨年10月の台風19号で浸水被害が発生した福島工場の現況や20年の抱負などを田村俊夫社長に聞いた。
◆昨年を振り返って。
19年度上半期の業績は、売上・利益ともほぼ計画通りだった。生活用品事業は、国内の避妊具はインバウンド需要に陰りが見え始めているものの、当社製品は高止まりしている。海外も韓国や香港は少し下がってきたが、中国は依然として伸びており、予定通りで推移。一方、フィルムや自動車内装材、壁紙などを手掛ける産業用製品事業は全般的に落ちている印象だ。
◆福島工場の現況。
近隣河川の氾濫により、福島工場のほぼ全体が浸水した。当社従業員の人的被害がなかったのは幸いだが、機械が水につかり、操業を停止している。1工場の問題は会社全体の問題として捉え、各工場の従業員のみならず、営業社員も応援に駆け付け、社員一丸で復旧活動を行った。
◆今後の対応策を。
工場の浸水被害に関しては、2011年のタイ洪水で、タイ工場が被害に遭った。今回もその経験を基に、台風の進路に合わせ、静岡工場では操業を一時停止するなど対策を取っていた。ただ、福島工場がこのような状態に追い込まれたのは多少油断があったと思う。
現在福島工場は、生産設備の修繕や部品の入れ替え作業を行っており、今年2月に除湿剤の生産を、今年4月にはラップフィルムやゴムバンドなどが生産を再開する予定。今後は工場の周りを囲ったり、機械を嵩上げたりする対策を講じ、より災害に強い工場を目指していく。
◆事業戦略について。
生活用品事業では、新たな切り口でお客様に喜んでもらう商品の開発を進めている。既存商品でも見方を変えた、新商品の発売に力を入れている。その一例