新年明けましておめでとうございます。本年が皆さんや皆さんのご家族にとって実りの多い年となりますよう祈念しています。
経済環境は昨年に引き続き、米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題、中東をはじめとする地政学リスク、日韓関係等々、雲行きの怪しい状態が続いています。日本国内においても、昨年10月から消費税率10%がスタートしましたが、この影響がどうなるのかを注視しています。当社はハイブリッド経営の深化を通じて、事業環境の変化に耐え得る強固な体質を構築し、安定した収益を上げられる会社にしていきたいと考えています。そのためには、会社は従業員に夢を持ってもらえるようなビジョンや体制づくりが必要ですし、その実現に向けて従業員全員が責任と自主性を持って業務に励んでほしいと思っています。
今年の経営課題は第一に2019年度業績予想の達成です。2019年度の業績は前年度比減収減益の見込みで、経済環境の悪化による海外市況の下落や円高の影響が主な要因です。しかしながら、どのような状況下においても当初計画した数字を達成できる、外部環境の変化に耐え得る強い企業体質を目指して、皆さんの知恵と努力を期待しています。
第二に安全対策です。安全安定運転は、当社にとって永遠の課題です。今まで通り、健全化工事は実施していきます。引き続き異常現象や労働災害の撲滅に向けて、危惧される箇所のさらなる点検を実施し、製造現場の安全に一層つながるようお願いします。また、IoT・AIをはじめとするデジタル技術の導入を、業務の効率化およびトラブル未然防止のために、積極的に推進していきます。
第三に成長戦略です。コモディティ事業は、基盤強化による競争力を一層高めるとともに能力増強の機会をうかがいます。スペシャリティ事業は、機能性・差別化を強化しつつ需要増に対応できるよう積極的に能力増強を実施します。また、南陽・四日市の両研究所においては、研究開発により創出される新規事業を一つでも多く立ち上げていくことを期待します。
第四にコンプライアンスです。法令順守は、企業や個人にとって最低限守るべきルールであり、不正や虚偽データ等の問題は社会からの信用を失墜してしまいます。職場で行われている業務が法令に適合しているかどうか、原点に帰ってもう一度業務の再点検を実施してください。
第五に現場力の強化です。各職場において今後の目指すべき方向や課題は整理されていると思いますが、その実現には現場力の発揮が必要です。各現場での自由闊達(かったつ)な意見交換を通して皆さんが主体的に業務を行い、自負できる明るい職場にしてもらえることを期待しています。それが会社の総合力向上につながっていくと思います。
最後に持続可能な開発目標(SDGs)への対応です。当社としてSDGsへの対応を考えたときに、CO2排出課題は避けて通れません。当社の将来に大きな影響を及ぼす課題だけに、具体的な目標や指標を掲げて対応していますが、一朝一夕で解決できる課題とは考えていません。さまざまな角度からCO2の削減・有効利用に取り組んでもらいたいと考えています。
当社が高収益で各方面のステークホルダーから「信頼される企業」となるべく、皆さんと一緒に努力していきたいと思います。