年頭所感 三井化学 淡輪敏社長

2020年01月09日

ゴムタイムス社

 新年明けましておめでとうございます。

 残念ながら一昨年に続いて昨年も事故・トラブルが発生し、撲滅には至っていません。言うまでもなく、安全は当社グループの全ての事業活動の原点であり大前提です。年頭にあたり、今一度「安全は全てに優先する」方針を社員一人ひとりが心に刻み、今年こそ徹底して事故ゼロを目指してまいりたいと思います。

 2025長期経営計画を実行に移してから3年が経ちました。19年度の業績は、厳しい環境変化に加え台風被害等の一過性の要因もあり、当初見込みの営業利益1050億円から840億円に下方修正しました。しかし、成長3領域が厳しい環境下でも収益レベルを維持し、基盤素材事業も構造改革により一定の安定感が出てきたことは、皆さんのたゆまぬ努力の成果と考えており、我々が歩んできた方向性に間違いはなかったということです。修正した目標の達成に全力を尽くすとともに、中長期的な視点を持って引き続きポートフォリオ変革を進めていきたいと考えます。

 世界が直面する政治、経済、環境面での課題は、マグマのように至るところで噴出しています。ポピュリズム(保護主義)の台頭と世界の貿易・経済への影響は短期的な解決は期待できず、また気候変動、海洋プラスチックごみなど、当社グループに影響のある環境問題への関心も大きくなるばかりです。今、世界で何が起こっているのか、どのように自身の仕事、生活に影響を及ぼしているかをしっかり認識し、アンテナを高くして柔軟に対処してください。

 私は、就任以来、「組織の風通しのよさがツキを呼ぶ」と皆さんに伝えてきました。組織の風通しがよいと社員が明るくなり、人も情報も集まって、最後によい結果が呼び込まれるとの私なりの表現です。

 当社が持続的に成長するために、世界各国の拠点の皆さんと共に、コミュニケーションを深め、連帯を図り、風通しのよい組織で知恵を出し合ってください。日本でオリンピックが開催される今年が、皆さん一人ひとりにとって明るく健やかな一年であることを心から願っています。

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