住友ゴム工業は1月14日、良質な天然ゴムの安定的調達を目指し、世界最大の天然ゴム取引市場であるシンガポールに、天然ゴム調達会社「スミトモ・ラバー・シンガポール」を設立し、4月から営業を開始すると発表した。従来はシンガポールにあるタイヤ販売子会社「スミトモ・ラバー・アジア(タイヤ)」内の天然ゴム調達部門で調達を行ってきたが、今後は新会社が調達活動や対外的取り組みを担っていく。
調達環境の変化と、人権や環境への配慮を踏まえ、良質な天然ゴムを安定的に調達するために調達活動やGPSNRなどの対外的取り組みを現地で責任を持って行う体制が必要であると同社は判断した。
調達環境については、昨今、天然ゴムの消費量が増加する一方、アジアの主要生産国で生産量減少が予測され、グローバルでの天然ゴム調達が必要となっている。また、天然ゴム業界内での統合、撤退で取引先は減少し、市場の独占や価格変動リスク拡大などの問題が生じるなど、良質な天然ゴムの安定的な確保に向け、調達環境が大きく変化している。
人権や環境への配慮については、天然ゴムの生産過程での人権侵害や森林伐採等がSDGsの観点から問題視されるようになるなど、持続可能な調達に向け人権や環境にも従来以上に配慮していくことが求められている。このような環境変化に対応すべく、2018年10月にGPSNRが発足し、同社も参画団体として積極的に活動している。