新3ヵ年計画がスタート アジア事業拡大、新商材発掘
業界トップシェアを誇るゴム・ケミカルズの専門商社 東京材料。インド現地法人を加えた世界8カ国11拠点を有し、グローバル展開を加速させている。柿沼秀一社長に新3ヵ年計画の進捗状況、今後の経営課題を聞いた。
上期の需給動向について
柿沼社長 4~6月期は震災の影響により鹿島地区の商材の仕入先が被災し、自動車生産が落ち込み需要もダウンした。期後半は自動車生産の増産とともに需要も回復し、新規商材の拡販により、売上高は前期比横ばい、収益は高付加価値商材の発掘、在庫圧縮等経費の削減が寄与し増益となった。新規商材にはBASF社のポリイソブチレンやDSM社の特殊エンジニアリングプラスチック、サビック社のエンジニアリングプラスチックなどに加え、ランクセス社の新規架橋剤が挙げられる。既存取引先(ダウケミカル、デュポン社製品)の横展開も図られたほか、技術サービスの充実も増販に繋がった。
今期から新3ヵ年計画がスタートしたが、その 基本方針は
柿沼社長 CSR重視の基本姿勢を貫きながら常にチャレンジする企業を目指すこととし、10年後に視点を置いた事業領域の見直しを図っていくのが狙いだ。
2013年度における数値目標としては売上高1200億円を見込んでおり、①アジアでの販売網の充実②新商材の発掘・拡販③ゼオングループでの一層のシナジー効果の発揮ーを基本骨子としている。アジアでの販売網の充実では将来の事業展開を見据え、日系タイヤ企業や自動車ゴム部品大手が進出するインドにこの9月に現地法人を設立したほか、中国における事業展開の中核拠点として上海に中国代表を置いたのも海外事業強化の一環である。
計画達成の具体策は
柿沼社長 当社の売上高構成比は合成ゴム70%弱、樹脂25%、石化・中間体5%、輸出比率は33%となっているが、成長の高い高機能樹脂、エンプラ製品の新規商材の拡販及び海外売上高の比重を高めていきたい。新規商材の発掘、拡販では本年4月に「製品戦略本部」を設置、短期の開発戦略を策定、長期的には別に「開発グループ」を設けた。
業務改革推進では年2回改善テーマを見直し、年間40件の改善テーマを掲げ業務の効率化を推進しており、物流部門ではサービスの質を落とすことなく、物流倉庫の重複地区の整理・統合を図り、全国100拠点の倉庫を2年かけて90拠点に集約、効率化を図っている。
海外事業展開は
柿沼社長 海外事業拡大に伴い、本社企画管理部門にグローバルな管理機能を負わせることを検討している。現在の海外売上高比率4割弱を3年後に連結ベースで5割までに拡大していきたい。
通期の業績予想について
柿沼社長 国内自動車のリカバリー増産をベースに、新規商材の拡販を見込み、売上高、収益ともに前期並みを確保する計画だが、ここへきてのタイ洪水による影響で国内自動車生産への影響が懸念される。