軽量化素材や注力製品PR ネプコンジャパンなど開催

2020年01月22日

ゴムタイムス社

 エレクトロニクス製造・実装・検査に関する日本最大の専門展「ネプコンジャパン」とクルマの軽量化を実現する素材・材料や加工技術などを紹介する「オートモーティブ ワールド」が有明の東京ビッグサイトで開催され、プラ・ゴム関連企業も多数出展した。

◆トヨックス
 「ホースと継手でトラブル解消」のコンセプトでブースづくりを展開し、高精度な接合技術で安全・安心・信頼を訴求した。
 ブースでは、製品の特長が分かりやすく伝わるように、実際の製品を使い省エネ比較、免震比較することで来場者に製品を解説していた。トヨシリコーンホースシリーズやトヨフッソホースシリーズなど、各種ホースを始め、流体漏れやホース抜けを防ぎ、液だまりしにくいトヨコネクタシリーズを中心に展示した。耐薬品配管用や工場設備・各種機械用の現場施工型袋ナット継手などの新商品も展示した。

トヨックス

トヨックス

◆ホッティーポリマー
 「FDM方式3Dプリンター本体からフィラメントまで幅広く技術サポートいたします」をテーマに、3Dプリンターの「ファンダー」と「レイズ3D」を出品し、同社が注力するHPフィラメントを使用しながらデモンストレーションを行った。
 また、FDM方式3Dプリンターで様々な素材での受託形成サービスも紹介し、サンプルとして受託加工品も展示した。透明性・耐候性・表面性に優れたバイオプラスチック成型品「エクリカ」を始め、これまでにない環境に優しいエコスポンジトリム、3Dプリンターに関連する押出製品など、独自配合技術や成形技術を活用したオリジナル製品を提案した。

ホッティーポリマー

ホッティーポリマー

◆サンワトレーディング
 ボンドラミネーツ社のガラス繊維強化熱可塑性コンポジット「テペックス」と、ランクセスの高性能プラスチック「デュレタン」を採用した製品を出展した。
 テペックスは複合材でありながら、60秒サイクルでハイブリッド成形できる連続繊維熱可塑材料(CFRP/CFRTP)である。欧州中心に自動車量産部品として、すでに二十数車種で採用されているほか、モバイルやスポーツ部品などでも使われている。ホンダの新型燃料電池自動車に採用されたワンショットハイブリッド成形リアバンパービームも展示した。

サンワトレーディング

サンワトレーディング

◆朝日ラバー
 「ライフサイエンス関連」「高機能関連」「オプティカル関連」の3分野で製品や技術を紹介した。ライフサイエンス関連では、人間の電気特性を再現したラバーファントムや10倍以上に伸びる新素材クリスタルゲルを紹介。高機能関連では抵抗値が変わらない伸縮性配線や正確で多彩な操作感が特長な車載スイッチ用ラバーなどを展示した。オプティカル関連では、照明器具の省エネ化や長寿命化に寄与する白色シリコーンインキ、耐熱・耐候性に優れたシリコーンレンズなどを紹介した。

朝日ラバー

朝日ラバー

◆バンドー化学
 難研削材高効率研磨用ダイヤモンドラッピングパッドを中心に展示を行った。
同パッドは高研磨レートと低粗さの両立が可能で、安定した連続研磨を実現している。主に酸化アルミニウムや炭化ケイ素のような難研削材のラッピング工程への用途が期待される。
 ヒートエクスは熱伝導性フィラーを垂直配向した高い熱伝導率を持つシート。他社製品は基本的にゲルを使用するのに対し、同社製品は架橋させたゴムを使用する事から絶縁信頼性が高いことをPRした。

バンドー化学

バンドー化学

◆JSR
 高機能オレフィン系熱可塑性エラストマーの「エクセルリンク」やTPE新規開発を紹介した。「エクセルリンク1000シリーズ」は耐久復元性に優れ、流動性が高く、射出成型性にも優れている。広い硬度ラインアップがあるのも特徴。「エクセルリンク3000シリーズ」は、ゴムのような触感で、高いグリップ性を有するだけでなく、溶融延伸性に優れ、多様な加工法に対応できるメリットがある。TPE新規開発では、振動吸収や摩擦時の異音抑制などのクルマの価値転換を実現するためのマテリアルを提案した。

JSR

JSR

◆日本ゼオン
 ゼオンが考えるグリーンケミストリーをテーマに、地球環境対応型フッ素系溶剤「ゼオローラHR」や、疎水性エーテル系溶剤「シクロペンチルメチルエーテル」などの特殊化学品を中心に展示した。ゼオローラHRはセオローラHの特長であるオゾン層破壊係数、低地球温暖化係数、不燃性などの性能を維持しつつ、溶解力を大幅に向上させた混合溶剤。「シクロペンチルメチルエーテル」は疎水性が高く、過酸化物が生成しにくいのが特長。

日本ゼオン

◆TPMカンパニー
 低コスト、短納期のメリットがあるTR工法を加工品と共に紹介した。ブースでは、マンガ冊子を配布し、わかりやすくメリットをPRした。TR工法は樹脂や軽金属を用いた簡易型でゴム製品をプレス成型する独自工法。樹脂型を用いる事で、試作型のコストと納期を大幅に改善することが可能となる。パネルでは、簡易型を用いる事により、イニシャルコストを30~70%下げる事ができるので、試作や小ロット生産に最適な事や型の設計・加工から、プレス成型まで社内で一貫生産することによりゴム製品を平均7日間で納品できることを説明した。

TPMカンパニー

TPMカンパニー

◆東和化学
 シリコーンゴム成形品専門メーカーの東和化学は、「シリコーンゴムが開く、無限の可能性」をテーマに豊富な成型品の展示を通じて、同社の技術力を訴求した。ブースパネルでは、材料開発、金型設計、試作関係、品質保証の4つの特徴をPRした。ダックビル弁は、形状面、材質面の最適化により、低圧での真空リークに対応したシリコーンゴム製逆止弁。ベントフィルター付きシールゴムはシリコーンゴムと多孔質膜との一体成型によりシール機能を備えたベントフィルター。密閉容器の通気性を保持しながら、防塵、防水機能を確保している。

東和化学

東和化学

◆積水化成品
「発砲技術でもっと軽く」をテーマに、多彩な樹脂製品を紹介した。テクポリマーは、懸濁重合技術を駆使して生まれた真球状微粒子ポリマー及び特殊ポリマー。透明樹脂の光拡散性付与、塗料・インクの艶消しなどの特性がある。エラスティルは、軽量でゴムライクな弾性を持ち、ウレタンフォームのように柔軟な熱可塑性エラストマービーズ発泡体で、複雑な形状での成形が可能。ブースには、エラスティルやCFRP複合発泡成形体「STーLAYER」を使用した自動車のフロントシートのコンセプトモデルも展示し、剛性とクッション性を両立させた軽量化を実現する複合成形品をPRした。

積水化成品

積水化成品

◆JXTGエネルギー
 機能材分野の素材と技術を積極的にPRした。
 開発中の高耐熱熱硬化性樹脂は、エポキシドと硬化剤を配合することにより、高耐熱性と低粘度を両立した機能材料。フィラーを高充填することにより、広い温度域で低線膨張率を達成可能。
 ブースには、モビリティ領域の素材と技術として、軽量化、自動運転・AI、電動化、タイヤ性能向上などに同社の素材が寄与できることをPRするパネルを展示した。

JXTGエネルギー

JXTGエネルギー

◆出光興産
 自動車の軽量化や安全性向上に貢献する高機能樹脂を紹介した。
 自動車電装部品で採用が進むザレックとポリカーボネートのタフロンの二つのエンジニアリングプラスチックを中心に、自動車の安全性に貢献する素材をPRした。特殊ポリカーボネートタフロンネオは、高い光沢と良好な発色性、低温における衝撃強度低下を抑制するなどの特性があるポリカーボネート樹脂。トラックアンダーガードなどで採用されている。高電圧・高周波部品用途のSPS樹脂ザレックは、高電圧部品の小型化・薄肉化に貢献する。

出光興産

出光興産

◆東洋紡
 7年目連続の出展となる東洋紡は、「金属代替」「軽量化工法」「電装・EV」「水・燃料・超耐熱」の各用途に適した機能樹脂製品を多数展示した。
 また、自動車の内装・外装に同社グループのさまざまな素材・技術を活用したコンセプトカー「マニプレーラー」を昨年に引き続き展示した。同コンセプトカーには、内装と外装に合わせて47点の同社グループの素材を使用。軽量化をはじめとする次世代のクルマの高機能化を提案し、内装における快適空間の演出と外装における安心・安全の提供の両立をPRした。

東洋紡

東洋紡

◆堀正工業
 ブースでは自動車用ドアパネルなど循環型社会の形成の為のヘンプ素材を展示した。ドイツPOLYVLIES社の「Naroplast」は天然繊維と熱可塑性樹脂の複合不織布。高強度で軽量で、衝撃耐性に優れ、天然繊維と熱可塑性樹脂の組み合わせはカスタマイズが可能。繊維射出成型用ペレット の「NATURE50」は、成形品はPC、ABS、GF20に比較して最大20%の軽量化を可能にし、強度・収縮率等において同等の機械的特性を有している。

堀正工業

堀正工業

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