デンカは1月20日、ABS耐熱付与材である「デンカIP」の新グレード「デンカIPXシリーズ」の本格販売を開始したと発表した。
同シリーズは、同社が長年にわたって高分子樹脂設計で培ってきたスチレン系の精密・重合技術をより深化させることで、デンカIPの特性である高い耐熱性と低VOCに加え、耐薬品性や塗装性の改善など各性能を向上させた耐熱付与材となっている。
近年、自動車業界では安全基準の厳格化やハイブリッド・EV化に伴いさまざまな部品の複雑化や軽量化が進んでおり、それに伴い各種部品の原料である樹脂には耐熱性、耐薬品性、塗装性をはじめとする多機能化・高機能化のニーズが高まっており、自動車内外装材用途を中心とした高度なニーズに幅広く対応できる素材として同シリーズを開発した。既に千葉県市原市の千葉工場にて量産体制を構築しており、2022年には年間4000tの販売を計画している。