産業技術総合研究所は1月22日、産業技術総合研究所ナノチューブ実用化研究センター兼CNT複合材料研究拠点(TACC)の林正彦特定集中研究専門員、友納茂樹招聘研究員らとサンアローとの共同で樹脂母材と同等の衝撃強度(靭性)を維持したまま、高温でのより優れた機械的強度や高い形状保持性、均一な導電性を付与したスーパーエンジニアリングプラスチック・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と多層カーボンナノチューブ(CNT)の複合材料を開発したと発表した。
この技術は複合化の際の混練成形手法の改良により樹脂にCNTを効果的に分散・複合化するもので、導電性が同程度であるPEEK/CF(炭素繊維)複合材料に比べて大幅に靭性が向上し、導電性と靭性を両立する実用的なPEEK複合材料を作製できる。自動車や航空機などの金属部材を代替できれば、軽量化による省エネへの貢献が期待される。
なお、同技術の詳細は、1月29~31日に東京ビッグサイトで開催される「ナノテック 2020 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で紹介される。