東海カーボンは7日、2011年12月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は800億7100万円、前年同期比0・7%減と小幅な減収となったが、営業利益は85億2700万円、同2・5%増、経常利益80億1200万円、同4・6%増の増益となった。四半期純利益は45億4700万円で同3・9%増となった。
東日本大震災による設備の被害やサプライチェーン障害から生産活動は大きく低下し、輸出、民間需要が減退した。その後、設備の復旧、代替調達の展開で供給制約の解消が急速に進み、生産・輸出も震災前の水準に戻り、設備投資や消費も持ち直しつつある。しかし、欧米景気の減速と円高の影響で足元の改善ペースは夏場までの勢いからは緩やかなものになっている。
こうした況の中、同社グループの需要業界であるゴム製品、鉄鋼、情報技術関連、産業機械などの各業界も震災の影響により需要は減退したが、生産活動の回復により需要は回復基調となった。同社グループでは、震災により石巻工場(宮城県石巻市)および連結子会社の東海高熱工業の仙台工場(宮城県柴田郡)などが被災し、操業を停止した。東海高熱工業仙台工場は建物や設備の被害が軽微で3月下旬から通常の操業を再開したが、同社石巻工場は津波により大きな被害を受け、本年12月の操業再開を目標に復旧作業を進めている。
カーボンブラック事業部門は、震災による自動車の減産も回復し、国内外の堅調なタイヤ生産にも支えられ、需要は好調に推移したが、石巻工場の震災による操業停止が続き、3月以降の販売数量は減少を余儀なくされた。また、販売価格は原料油価格の上昇に対応した改定を実施した。
以上により、同事業部門の売上高は304億7800万円、営業利益は44億9200万円となった。
炭素・セラミックス事業部門の売上高は382億5300万円、営業利益は38億200万円となった。製品別の内訳は、黒鉛電極の売上高は237億2300万円、ファインカーボンは震災の影響による一時的な落ち込み後、顧客の生産復旧などにより需要は急速に回復し、堅調に推移した。また、海外向けも中国、韓国他アジアを中心とした太陽電池、半導体の各業界の旺盛な需要により好調に推移、売上高は145億2900万円となった。
通期の連結業績は、売上高1095億円、営業利益102億円、経常利益102億円、当期純利益55億円の増収増益予想。
2011年11月22日