クラレは1月29日、同日から東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展2020」に出展すると発表した。自然環境と生活環境の向上に寄与する同社グループの多様な「マテリアル」、開発中のマテリアル・技術を紹介する。
主な出展製品は、アクリル系ブロック共重合体「クラリティ」、活性炭「クラレコール」、熱可塑性エラストマー「アーネストン」、バイオマス由来のガスバリア素材「プランティック」、EVOHガスバリア性樹脂、フィルム「エバール」、熱/光硬化型水溶性樹脂(開発品)。
アクリル系ブロック共重合体「クラリティ」は、同社が世界で初めて工業化に成功したアクリル系ブロック共重合体。樹脂改質剤としての使用が可能で、ポリカーボネート樹脂やABS樹脂をはじめとする各種極性樹脂への添加で高流動性・高耐衝撃性の両立に寄与する。また、高分子ポリマーでありながら塩ビを可塑化でき、ブリードアウトの低減が可能。
活性炭「クラレコール」では、石炭やヤシ殻などを原料として製造した活性炭を展示する。ブースでは、食品・飲料分野を中心に味の調整や不純物除去などに使用されている活性炭のデモンストレーションを行う。
熱可塑性エラストマー「アーネストン」では、反発・減衰機能を持つエラストマー樹脂を繊維、メッシュ、フィルム、不織布などに使用した製品を紹介する。
バイオマス由来のガスバリア素材「プランティック」は、バイオマス原料由来の未来型ガスバリア素材。ガスバリア性による食品の品質保持や賞味期限の延長、カーボンニュートラルによりCO2削減に貢献する。他のバイオマス、生分解性素材との組み合わせによる環境性能の高い包装材の設計も可能。
EVOHガスバリア性樹脂は、プラスチックの中で最高レベルのガスバリア性をもつエチレン―ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂。食品を中心に、医薬品、化粧品、農産物、工業製品の包装容器に使用されるほか、自動車のガソリンタンク等にも採用されている。
熱/光硬化型水溶性樹脂は、モノマーフリーで安全性の高い完全水溶性の樹脂。架橋剤無しで自己耐水化する水系コーティング剤として利用できるほか、3Dプリンティングで造形可能なハイドロゲル原料としても利用できる。