ポリアミド事業の買収完了 BASFがソルベイの

2020年02月04日

ゴムタイムス社

 BASFは2月3日、1月31日付でソルベイのポリアミド(PA 6・6)事業の買収を完了したと発表した。買収完了により同社のポリアミドのポートフォリオに、市場での認知が高いテクニールなどの製品が追加され、事業がさらに強化される。

 これにより、自動運転やe―モビリティなどの分野において、より優れたエンジニアリングプラスチックスソリューションで顧客を支援することが可能になる。また、アジアや北米、南米の成長市場へのアクセスも強化される。主要原料であるアジポニトリル(ADN)からの一貫生産により、同社はポリアミド6・6のバリューチェーン全体を強化し、供給信頼性を向上することができる。同社が取得したポリアミド事業の購入価格は、現金および負債を含めない状態で13億ユーロで、同事業の2018年の売上高は約10億ユーロとなっている。同事業は同社のパフォーマンスマテリアルズおよびモノマー事業本部に統合される。

 今回の買収には、ドイツ、フランス、中国、インド、韓国、ブラジル、メキシコの8つの生産拠点のほか、アジア、北米、南米の研究開発拠点および技術サポート拠点が含まれる。さらに、フランスの2つの合弁会社も含まれ、ソルベイがインビスタ社と共同でアジポニトリル(ADN)とヘキサメチレンジアミン(HMD)を生産する合弁事業ブタシミーの50%のシェア、そして同社とドーモ・ケミカルス社が共同でアジピン酸を生産する新しい合弁事業アルサシミーの51%のシェアを同社が取得する。

 買収完了に伴い、ソルベイの社員約700人が同社に入社する。なお、アルサシミーには約650人、ブタシミーには約400人が在籍している。

 同社取締役のウェイン・T・スミス氏は、「BASFはポートフォリオを拡大、地域におけるプレゼンスを強化し、供給面での信頼性を向上させることで、お客様に大きなメリットをもたらす。今回の買収は、ポリアミド事業への強いコミットメントをグローバルレベルで示している」とコメントしている。

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