帝人の20年3月期第3四半期連結決算は、売上高が6474億6000億円で前年同期比1・8%減、営業利益は482億1600万円で同0・2%増、経常利益は474億3600万円で同7・5%減、四半期純利益は301億6600万円で同26・0%減となった。
営業利益は、ポリカーボネート樹脂の市況低迷や欧米での主力医薬品の後発品発売による売上減少があったものの、マテリアル事業のアラミド繊維、国内ヘルスケア事業およびIT事業等が堅調で、増益となった。純利益は、フィルム事業子会社譲渡に係る一時費用を特別損失へ計上したこと等により減益となった。
セグメント別では、マテリアル領域は、売上高が4815億円で同3・4%減、営業利益は172億円で同横ばい。高機能材料分野が比較的堅調に推移し、前年水準の収益を維持した。
同領域のマテリアル事業は、アラミド繊維分野で主力のパラアラミド繊維が摩擦材、ゴム補強材等の自動車関連用途での販売数量がやや減少したが、売値・販売構成の改善が収益に貢献した。樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が中国、ASEANでの需要低迷により汎用品の販売価格において影響を受けた。なお、同事業ではフィルム分野に属する子会社を東洋紡に昨年10月1日付で譲渡している。
同領域の繊維・製品事業は、衣料繊維分野で天候不順等による市況低迷で重衣料やスポーツ衣料が苦戦した。産業資材分野では、自動車関連部材が欧州や中国の自動車販売低迷の影響を受けたが、インフラ補強材や水処理フィルター用のポリエステル短繊維の販売は好調を維持した。
同領域の複合成形材料事業では、北米のピックアップトラックやSUV等の需要増を背景に、米国で自動車向け量産部品の販売が堅調に推移した。
ヘルスケア領域は、売上高が1192億円で同0・7%減、営業利益は291億円で同6・9%減となった。
通期予想の修正はなく、売上高は8600億円で前期比3・2%減、営業利益は550億円で同8・3%減、経常利益は540億円で同10・4%減、当期純利益は340億円で同24・5%減を見込んでいる。
2020年02月07日