加藤産商(東京都中央区、加藤達男社長)の20年9月期第1四半期(10~12月)は、売上が前年同期比10%程度減と厳しい状況で推移している。その主な要因は、世界的な自動車生産の落ち込みにより、売上で大きなウエイトを占める自動車向けの原料需要が鈍化したことがある。一方、自動車向け以外の電機や弱電、建材、接着剤などは需要が安定している。
海外拠点の状況(19年1~10月)を見ると、アセアンは、タイとマレーシアは、2桁の伸びとなった18年と比べると売上は若干落ち着いているものの、需要は安定している。
また、ベトナムとインドネシアは、2桁増と好調だ。ベトナムはHSコードの緩和により、取扱商品が増えたことで売上が伸びている。インドネシアも営業努力が奏功し、新規商材の拡販や新規顧客の獲得に成功した。さらに、経費削減に取り組み、利益も上がっている。
上海・広州にある中国の商社部門は、上海は新規の獲得などで伸びる一方、広州は自動車の落ち込みが響き前年同期を下回っており、全体では前年並みの状況にある。
中国でゴムのマスターバッチを製造する埼光橡塑(嘉興)は前年同期を下回る。ただ、昨年がキャパオーバーの操業にあったため、工場の稼働自体は順調だ。
北米地区は、米国は練りや加工ビジネスが順調で前年同期比5%増。また、メキシコも14年に拠点を開設したのもあるが、売上は5割近く伸長している。
今期注力する分野は、まず昨年10月