デンカの20年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2886億5500万円で前年同期比7・0%減、営業利益が240億2400万円で同3・2%減、経常利益が227億1800万円で同6・4%減、四半期純利益が167億円で同9・3%減となった。
車両電動化関連やヘルスケア分野での販売数量増加や、採算是正を目的とした販売価格の改定が進んだ一方で、一部製品で原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことや、需要減による販売数量の減少が響き、減収となった。
セグメントのうち、エラストマー・機能樹脂部門は、売上高が1121億1800万円で同16・3%減。クロロプレンゴムは、全体的な需要が減退し販売数量が前年を下回った。スチレンモノマーやデンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂は、販売が概ね堅調に推移したが、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となった。
通期予想に変更はなく、売上高は4000億円で前期比3・2%減、営業利益は350億円で同2・3%増、経常利益は320億円で同2・5%減、当期純利益は240億円で同4・2%減を見込む。エラストマー・機能樹脂部門は、通期でもクロロプレンゴムの販売数量が前年を大きく下回る見通しであることから、減益を見込んでいる。米中貿易摩擦に加え、新型肺炎の感染が急拡大し先行きの不透明感が一層強まる状況下、クロロプレンゴムなどの主力製品の需要回復には時間を要する見通しで、全体として低調な状況が続くことが懸念されるものの、一方でスペシャリティー事業である電子・先端プロダクツやライフイノベーションの業績が伸長していることから、同社では今期の予想利益の確保に努めていくことにしている。
なお、第3四半期の電子・先端プロダクツ部門は、売上高が499億2400万円で前年同期比1・9%増。球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックなどの車両電動化関連製品の販売が大幅に伸長し、電子回路基板および高信頼性放熱プレート、LED用サイアロン蛍光体の販売が好調に推移した。一方、電子部品・半導体関連分野向け機能フィルムや球状溶融シリカフィラーの販売は前年を下回った。
また、生活・環境プロダクツ部門は売上高が281億2300万円で同6・3%減、ライフイノベーション部門は売上高が287億3300万円で同7・0%増となった。
2020年02月12日