三菱ケミカル 医療用TPUに参入 内装表皮材向け積極展開

2020年03月02日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカル(東京都千代田区、和賀昌之社長)のTPEは、基幹ブランドの「テファブロック」を中心に、架橋型の「トレックスプレーン」、エアバッグカバー用の「サーモラン」、医療用の「ゼラス」をラインアップする。このさらなる拡充に向けて同社は、米国のアドバンソース・バイオマテリアルズ(ASB社)のTPU事業を買収した。ASB社のTPU事業は、心臓カテーテルなどの医療器具向けに米国でシェアを高めている。今回の買収で三菱ケミカルの製品ポートフォリオにTPUが初めて加わる。買収の背景には、同社が「医療は一つの重要な用途で、グローバル展開をキーワードにしている」(機能性樹脂事業部ビジネス1・2グループの広田保史マネージャー)ことがあり、「当社は機能性を付加してニッチな市場を狙う方針で、その意味でも医療の特定の用途というのは当社の方針に合致した」(同)。

 同社は昨年はインド企業の塩ビコンパウンド事業を買収したが、この事業も主用途は医療系だ。

 これらの新拠点を加え、同社の塩ビコンパウンドなどを含む機能性樹脂事業の拠点は、16ヵ国31拠点に広がる。足元では、日本国内が自動車向けを中心に堅調な一方で、中国や欧州、東南アジア、インドは軒並み販売が落ち込んだが、同社では「TPEはゴム代替などで景気に左右されない純粋な需要増に期待している」(同)。

 TPEの用途では、自動車内装向けが大きな事業の柱となる。自動車メーカーは内装の高級化に舵を切っており、同社は「内装表皮材として、塩ビ、TPO、TPV、TPSそれぞれの特長を活かした材料開発を行い提供していきたい」(同)という考

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