ユニチカの20年3月期第3四半期連結決算は、売上高が887億6400万円で前年同期比7・2%減、営業利益は38億5000万円で同39・8%減、経常利益は29億700万円で同47・0%減。また、訴訟損失引当金繰入額25億4000万円を特別損失として計上したことなどにより、四半期純損失は11億2100万円(前年同四半期は45億7400万円の利益)となった。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は427億3800万円で同9・4%減、営業利益は393900万円で同33・2%減となった。
フィルム事業及び樹脂事業におけるナイロン製品は、昨年1月に発生した宇治事業所の火災で生産、販売に影響があった。フィルム事業では、包装分野は、火災影響のほか、梅雨明けの遅れや暖冬などの天候不順による季節商品用途の需要鈍化などがあったが、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」など高付加価値品は、国内外で好調を維持した。
工業分野は、国内外ともに半導体市況悪化により販売が減少した。高付加価値品の耐熱性ポリアミドフィルム「ユニアミド」は、上期は販売が好調に推移したが、下期に入り減少した。シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」は順調に販売が拡大している。
樹脂事業では、ナイロン樹脂は、火災の影響による販売減やコスト増などにより収益が悪化した。ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、海外向け自動車用途での需要減に加え、情報端末機器用途での在庫調整もあり苦戦した。
その他の機能樹脂についても、中国景気の停滞や自動車生産の減少等による需要減少の影響を受け、低調に推移した。
機能材事業の売上高は98億3600万円で同3・3%増、営業利益は7億6900万円で同13・6%減となった。
このうち、ガラス繊維事業は、産業資材分野は、防煙垂れ壁等の建築用途及び環境関連用途の販売が堅調。電子材料分野のICクロスは、半導体市況が復調していない影響はあったものの、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品の販売は順調に拡大した。
通期の連結業績予想は前回発表から修正はなく、売上高は1290億円で前期比0・1%減、営業利益が65億円で同20・2%減、経常利益が52億円で同26・7%減、純利益が2億円で同96・2%減を見込んでいる。