東洋紡の20年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2480億1800万円で前年同期比0・8%減、営業利益は159億6800万円で同4・1%増、経常利益は134億3900万円で同6・1%増、四半期純利益は58億8100万円(前年同期は3億円の損失)となった。
セグメントのうち、フィルム・機能樹脂事業は、売上高が1143億円で同3・5%減、営業利益は120億円で同18・1%増。フィルム事業が好調に推移し、減収増益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは、環境に配慮した製品の販売が好調だった。工業用フィルムは、セラミックコンデンサ用離型フィルムが電子関連部品の生産調整の影響を受けたが、液晶偏光子保護フィルムは生産性を向上し、大手偏光板メーカー向けの販売を順調に拡大した。機能樹脂事業では、ポリオレフィン用接着性付与剤が海外向けに販売を伸ばしたが、エンジニアリングプラスチックは、世界的な自動車減産の影響を受けるとともに、中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸びず苦戦した。
通期予想については、新型肺炎まん延による経済活動の停滞が予想され業績への影響が懸念されるが、現時点で修正は行わず、売上高は3500億円で前期比4・0%増、営業利益は220億円で同1・3%増、経常利益は180億円で同1・2%増、当期純利益は140億円を見込んでいる。
2020年02月19日