ゴムシート特集 十川ゴム 特殊用途向けの開発テーマ推進 放熱・放射線材料など積極的に開発

2020年04月13日

ゴムタイムス社

 十川ゴム(大阪市西区、十川利男社長)のシート事業の需要環境は、昨秋より経済情勢が全般的に鈍化している影響で、19年4月~20年1月のシート事業の業績は天然・合成ゴムとも前年同期比を若干下回っている。種類別では、ここ数年好調だったフッ素ゴムシートは、半導体関係が落ち込み、減少している。通期のシート事業は前年並みを予想しているが、新型コロナウイルスによる肺炎拡大が景気に悪影響を及ぼすことが懸念され、予断を許さない状況だ。

 シート事業では、運送費を含めた物流問題が大きな懸念材料の一つ。ドライバー不足による重量物受取拒否に加え、運送業者から運賃の大幅アップを要求されるなど、製品価格に占める運送費比率は増大し続けている。同社は顧客に安定供給を図るため、現在も運送費の一部負担を顧客に協力して頂いている。ただ、運賃の上昇が続くなかで、「今後その負担額の見直しをお客様にご協力願わざるを得ない状況にある」(同社)としている。

 製品開発では、特殊な用途としての柔軟フィルム材など、従来にない素材、用途、性能、精度を求められる製品開発テーマが出ており、こうした用途に対し、積極的な開発推進体制を取っている。

 開発テーマに関しては、高導電性、放熱、放射線遮蔽、難燃性など業界ごとに求められるシートの機能性も異なる。このため、同社独自の配合技術を用いる

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