コベストロジャパンは2月26日、同社とトヨタ紡織が共同開発した新素材が、トヨタ自動車の電気自動車コンセプトカー「LQ」に採用されたと発表した。新素材は、コベストロの「Advanced Baypreg F NF」の技術とトヨタ紡織のケナフ繊維の技術を日本で進化させ共同開発した軽量ケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットで、トヨタLQのドアトリムに採用されたことで、世界に初披露された。
このケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットは、必要な実用強度を有した基材として世界で初めて1kg/㎡を切る画期的な材料で、この複合材を使用することにより従来のドアトリム材より30%以上の軽量化を実現している。材料が軽ければ軽いほど、一回の充電や給油での車の航続距離を伸ばすことができる。
新素材に使用されているケナフは、アオイ科の植物で、成長速度が速く短期間で多くの繊維を収穫できることで、低価格であるだけでなく、機能性が高いという点で近年注目を集めている。植物バイオマスは代替原料として自動車業界からの関心が高まっている。
電気自動車の普及拡大が見込まれる未来のモビリティにおいて、軽量化素材が果たす役割はこれまで以上に重要になることが予想されている。コベストロは、世界の自動車産業に向けて長期にわたり革新的な素材を提供してきた。日本市場でも、日本の研究開発拠点である兵庫県尼崎市のイノベーション・センターで、自動車の軽量化に貢献する低密度ポリウレタンフォームなど、数多くのサステナブルなソリューションを開発している。