ユニチカ 食品包装用途 環境配慮型フィルムを開発

2020年03月04日

ゴムタイムス社

 ユニチカは2月27日、ケミカルリサイクルによる再生資源を有効活用した食品包装用ポリエステルフィルム「エンブレットCE」を開発したと発表した。
 同社グループで推進する『for the EARTH』活動の一環として、先に発表したケミカルリサイクルナイロンを用いた食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムCE」に続き、同社では二素材目の環境配慮型食品包装用フィルム。エンブレットCEはすでに、岡崎事業所と宇治事業所内の既存生産設備で生産方法を確立し、顧客へのマーケティング活動を開始している。

 昨今の環境問題への意識の高まりの中、循環型社会による持続可能な成長社会を目指す「Circular Economy(CE)」(循環経済)の考えに基づき、植物由来の原料を用いたフィルムや、市場から回収されたプラスチックをリサイクルしたプラスチックフィルムが環境配慮型フィルムとして使用され始めている。

 エンブレットCEはエンブレムCEと同じく、同社の重合設備でケミカルリサイクルを行い、再生したポリエステル樹脂を使用したフィルム。ケミカルリサイクルとは、製品として利用できない、もしくは使用済みのプラスチックフィルムや成形品等を化学的に分解することでプラスチック原料に戻し、異物を取り除いた後、再重合により再度製品として使用する方法。

 エンブレットCEは、ケミカルリサイクルポリエステルとフィルムの製造工程内で発生した端材等を利用したマテリアルリサイクルを併用することで、機械物性、印刷適性などを損ねることなく、再生材料の利用比率を50%以上にすることが可能。さらに、リサイクルする原料を厳密に管理することで、食品包装用途への使用を可能にした。

 今後同社は、今年6月から実機でのエンブレットCEの生産を開始し、2022年度以降、300t/年の販売を目指す。また、現在は同社グループの製造工程内で発生したフィルム、樹脂を再生材料の原料としているが、今後はフィルムの販売先である印刷・加工メーカーとの取り組みにより、再生材料の回収を検討している。

 

エンブレットCE製造フロー

エンブレットCE製造フロー

 

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