財務省貿易統計を基に、日本ベルト工業会がまとめた19年の国別輸出入実績は、輸出総額は366億8300万円で前年比7%減となった。
輸出先1位は米国の70億4100万円で同3%減、2位は中国の44億3400万円で同13%減、3位は香港の24億6600万円で同10%減となり、上位5ヵ国(地域を含む。以下同)の順位に変動はなかった。
品種別に見ると、コンベヤベルトの総輸出額は81億6800万円で同16%減となった。仕向け先1位のチリは同24%増。前年は185%増と大きな伸びを示したチリは引き続き高い伸びを見せ、順位も前年の3位から1位に、構成比も前年から6・2ポイント上昇の19・3%となった。チリは生産量・埋蔵量でも世界全体の3割に達する銅生産大国。銅生産はここ数年堅調に推移している。
2位の米国(同28%減)は前年から順位に変動はなかったものの、前年を下回る状況が続いており、構成比も昨年から1・9ポイントマイナスの11・4%となった。以下、3位はペルー(同16%減)、4位はオーストラリア(同53%減)、5位はフィリピン(同28%減)となり、上位5ヵ国のうち1位のチリを除いた4ヵ国は前年実績を下回った。
伝動ベルトの総輸出額は285億1500万円で同3%減。伝動ベルトは自動車の内燃機関を中心に、射出成形機など一般産業機械などの内部で動力や回転を伝達する役割を担う。19年は中国経済の減速の影響で、射出成形機向けが大きく落ち込んだことや、アセアンやアジアへの現地生産対応を強めるメーカー各社の動きも相まって、輸出全体は伸び悩んでいる。
1位は米国の61億700万円で同2%の増加に対し、2位の中国は41億3000万円で同14%減。中国経済の減速を背景に、一般産業向けのベルト輸出は低迷が続くほか、自動車向けも伸び悩んでおり、中国向けの輸出は厳しい状況で推移した。
3位は香