日本ベルト工業会がまとめた19年のゴムコンベヤベルトの需要先別販売実績を見ると、総合計は前年比(金額ベース、以下同)上期が3%増、下期が6%減となり、年間では同2%減となった。
国内需要全体は同7%増となり、販売比率は前年の66・2%から6・4ポイントプラスの72・2%となった。
国内の主要需要先である鉄鋼高炉メーカーの販売比率は前年比で増加となったほか、セメントや電力・ガスは2桁の増加となった。一方、石灰や鉄鋼関連の販売比率は前年を大きく下回る結果となった。輸出向けは同19%減で、販売比率は27・8%となった。
国内需要は、鉄鋼・高炉メーカー(販売比率24・9%)は上半期が前年同期比13%増と前年を大きく上回ったものの、下半期が同1%減で年間では同5%増となった。日本鉄鋼連盟によれば、19年の粗鋼生産量は前年比4・8%減の9928万tで10年ぶりの1億トン割れ。ただ、高炉メーカー各社はここ数年、持続的な成長を目的に計画的な設備更新を実行する中で、高炉向けのコンベアベルト販売も前年を上回ったと思われる。
19年下期に入ると国内の自動車生産が悪化している。これを受け、設備改修時期を延期するメーカーも一部で出始めており、高炉向けの販売への影響が懸念される。
自動車関連(販売比率0・6%)は、上期が同3%の減少、下期も同3%減となり、年間で前年比3%減となった。
インフラ・土木関連では、電力・ガス(販売比率2・9%)が同28%増。上期が同17%増、下期も同45%増と年間を通して好調に推移した。セメント(販売比率3・2%)も上期・下期ともに前年を大きく上回り、結果同31%増となった。石灰(販売比率1・7%)は上期が同33%増と好調だったものの、下期に同60%減と大きな落ち込みを見せた結果、年間では同26%減。石炭(販売比率0・3%)は上期・下期ともに低調に推移し、年間で同38%減と大きく下落した。
その他、紙・パルプ(販売比率0・8%)は同9%減、ガラス(販売比率0・4%)は同28%増、非鉄(販売比率0・4%)は37%減、官需(販売比率0・9)が同15%増、その他OEM(販売比率2・6%)は同23%増と前年を上回った。
一方、19年の樹脂ベルトの販売実績をみると、合計は同1%減で上期・下期ともにほぼ前年並みに推移した。
樹脂ベルトの主要需要先である食品と物流の販売実績は、食品(販売比率23・1%)が同3%減、食品機械(販売比率11・1%)が同5%減となった。一方、物流(販売比率5・1%)は同7%増、物流機械(販売比率16・3%)は同1%増となり、物流は依然堅調な伸びが続いている。
その他の分野では、精密機器(販売比率4・6%)が同5%減、繊維(販売比率5・5%)が同11%減、紙工(販売比率6・3%)が同横ばい、その他機械(販売比率5・8%)が同横ばい、鉄鋼・非鐡(販売比率3・9%)が同15%増、官公庁(販売比率0・5%)が同6%増、その他(販売比率14・1%)が同4%増となった。
その結果、19年の国内需要は同1%減、販売比率は96・3%。輸出が同9%減で、販売比率は3・7%となっている。
[/hidepost]