ディー アイシー コベストロポリマー 堺工場の生産能力増強 オールTPU製靴を開発

2020年03月16日

ゴムタイムス社

 国内生産の熱可塑性ポリウレタン(TPU)「パンデックス」を主体に、独コベストロ社のTPU「デスモパン」と「テキシン」を輸入販売するディー アイシー コベストロポリマー(以下DCP、東京都中央区、中西俊武社長)。同社は今年で創立20周年を迎え、これまで安定した高い品質を強みに日本のTPU市場をリードしてきた。そして、昨年4月からコベストロジャパンの出資比率が50%から80%に引き上げられたことで、グローバルなネットワークが一層強固になり、グループ内の各拠点の技術交流がよりオープンになった。中西社長は「DCPの技術を世界に広げたい」と期待を寄せ、「グローバルな情報やグローバルとの連携が、次の20年に向けて力強いサポートになる」と語る。今後は、海外展開する顧客に対し高品質で安定供給する体制を作ることが可能となる。

中西社長

 生産面では、昨年9月、大阪府の堺プラントの生産能力を30%増強した。TPUの日本市場は、昨年こそ足踏みしたが近年は年率5~7%の成長が続き、堺プラントの能力増強が課題だった。ハイスペックな製品を製造できる設備を投入し、高品質を求める海外の顧客にも日本から供給できるようになる。
 開発面では、環境への取り組みを化学メーカーの使命と捉えている。その一例が、昨秋の独K展に出品したオールTPU製のコンセプトシューズだ。丸ごとリサイクル可能なため、サーキュラー・エコノミーに貢献する。アッパーに用いられるTPUの繊維には、DCPが10年以上かけて開発・製造してきた高度な技術が活かされている。
 また、独コベストロはCO2を原料として有効活用したポリオール「cardyon」の開発に成功し

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