マクセルクレハ(大阪市中央区、海﨑一洋社長)は、ゴムシート事業の新製品開発を加速する。
同社のゴムシート事業は、合成ゴムや天然ゴムの汎用シートと、超薄膜・高精度ゴムシート「極薄シート」を中心とする高機能シートを提供している。高機能シートでは、今年2月に極薄シートの新製品2品を同社HPで公開。2品ともこれまで特定ユーザー向けに開発を進めていたが、「HP公開を機に、様々なユーザーから情報を拾い、多方面で採用に弾みをつける」(同社)。 一つ目の「フレキシブル印刷用EPDMシート(開発中)」は、スマートウエアや車載センサーなどの用途で求められる、フレキシブルで「薄く」「伸び」「曲がる」シート。シート両面にPETセパレータが付いているので、取り扱いしやく、加工寸法性にも優れた構成になっている。特長は、しなやかで伸縮性に優れる素材で曲面への追従性が良好、製品厚み(100μ)で優れた厚み精度(±10%以内)、導電ペースト等との印刷適性に優れる。「一部ユーザーではこのシート材料に似た材料で商品化していただいたものもある」(同社)という。
2つ目の「PDMS(ポリジメチルシロキサン)シート(開発中)」は、生菌、細胞、DNAなどの分析や培養などの分野で注目されている超薄膜・高精度シート。同シートもシート両面にPETセパレータが付いて取り扱いしやく、加工寸法性に優れる。主な特長は、同社独自の製造方法により長尺での製造可能、PDMS単層や基材フィルムとの複合が可能、製品厚み(100μ、200μ)で、優れた厚み精度(±10%以内)など。「数年前から特定ユーザーに使っていただいていたが、今後は研究機関などを含め採用を広げる」(同社)としている。