ニッタ 海外好調で大幅増収増益 

2011年05月25日

ゴムタイムス社

ニッタの11年3月期の業績は、主力ユーザーである自動車、半導体、液晶および工作機械分野の業績急回復を反映し、大幅な増収増益となった。連結売上高は515億9300万円、前期比32%増と大幅に増加。各収益も営業利益が12億8200万円(前期は8億円余の損失)、経常利益は54億2600万円、230%増、当期利益47億600万円、411%増と経常、当期利益がともに2倍以上の大幅に伸びた。 決算発表会見で同社の國枝信孝社長は、前期に比べて125億円の増収内訳は、ベルト販売が48億円増、ホース・チューブが67億円増加。期中の10年6月にはニッタ上海企業管理有限公司を設立、10月に協和工業を子会社化し、持分法子会社の業績がともに好調だった。海外販売については、前期比39%増と4割余の売上げ増を達成した。中国、東南アジアを中心に依然、海外需要が旺盛で当面この勢いは続くと考えている、とした。 1株当たり純資産はやや増加。配当は、年間で10円増配し26円と当初予想より6円上ぶれた。配当性向は、過去5年平均で20数円となった。 今期予想については、今回大震災の影響で見通しが難しいとしながら、通期売上げ530億円(2・7%増)、営業利益15億円(16・9%増)、経常利益55億円(1・4%増)、当期純利益50億円(6・2%増)を見込んでいる。 四半期別売上げ予想は、見通しが困難としながら、第1Qが、大内新興化学の石化プラントが被災した影響でナイロン系原料の供給がひっ迫、ゴム系原料は震災以前に、とくにCRの手当てがひっ迫しており、代替ルートの確保を急いでいる。 また自動車各社の生産ラインが停止した結果、子会社ニッタ・ムアーのフューエルチューブのラインがストップするなどかなり影響はあるものの、他方で工作機械向けの販売が依然堅調で、さらに備蓄需要を追い風に旺盛な伸びをみせており、減収は前年比5%程度にとどまると予測。第2については前期並み、第3は5%増、第4は10%増を計画。 11年は中計の最終年度にあたり、何としても増収を目指す、とした。 グループ会社のGUA=ゲイツ・ユニッタアジアグループの売上げは約5億ドル、前年比28%増、ニッタハースは148億円、16%増だった。GUAについては、今期の国内販売の増収は難しいが、アジア販売に期待。後者については、今期は前年並みを予想していると述べた。 設備投資については、現在日本で生産しているベルト生産の30%を、年内に中国にラインを新設し、振り分ける。同時に、自動車用エアーブレーキホースユーザの大量需要に応えるため、こちらも年内に製造ラインを新設。これにともないニッタの海外生産割合を売上げの20%程度に高める。また、昨年実施した国内工場の耐震補強を、残る3分の2の建物全てで実施する。

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