ヘンケルは3月11日、包括的なサステナビリティへの取り組みの成果と進捗状況を詳細に報告する「サステナビリティレポート第29号」を3月5日に公開したと発表した。同レポートは、今後の戦略的なフレームワークを紹介するとともに、サステナブルなパッケージングの実現や気候保護などの重要なテーマに関する新たな目標について概略を報告している。
それによると、同社は2030年までに事業活動の効率性を2010年当時の環境フットプリントの状況と比べて3倍にまで高めることを目指している。これは同社のサステナビリティ戦略の要となる目標で、2019年末時点で既に総合的な効率性を56%向上させることに成功している(基準年2010年との比較)。加えて、2020年までの目標のうち、①CO2排出量の31%削減、②生産量1t当たりの廃棄物量の40%削減、③労働環境の衛生状態と安全性を42%改善の3つを早くも達成している。また、生産量1t当たりの水消費量を2010年との比較で28%削減しており、目標とする30%削減を目前にしている。
また、2040年に向けてクライメート・ポジティブ(環境に前向き)な企業を目指す過程で、同社は2025年までに生産活動に起因するカーボンフットプリント(CO2換算の温室効果ガス排出量)を65%削減する方針を立てており、エネルギー効率を継続的に改善し、使用する電力を再生可能エネルギー由来のものに変えることで、目標達成を目指す。また、現在生産に使用している化石燃料全てを2040年までにクライメート・ニュートラルな代替燃料に置き換え、余剰エネルギーが発生した場合には他社に提供していく考え。更に、顧客や一般消費者、サプライヤー各社に同社ブランドの製品と技術を活用してもらうことによって、2025年までの5年間で1億tのCO2削減を実現を目指すことなどが、同レポートにて報告されている。