デンカは3月24日、同社の連結子会社であるデンカ生研が、国立感染症研究所と新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の診断法開発に関する共同研究契約を締結したと発表した。AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の研究班への参画を通じて必要な抗体と抗原を国立感染症研究所より分与を受け、イムノクロマト法による簡易検査キットの開発を進めている。
通常、簡易検査キットの製造販売承認取得までには最短で1年半から2年を要するが、同社は開発を早めるために関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援を仰ぎながら、2~3ヵ月内に試作品を完成させ評価し、体外診断薬の国内薬事承認を取得することを前提に、今後1年以内に最大1日10万検査分の量産体制構築を目指す。
さらに、様々な医療現場の検査ニーズに応えるべく、ELISA法や遺伝子診断法を含め、イムノクロマト法による抗原検出以外の診断方法も同時に検討を進めている。同社が昨年9月に株式を33・4%取得した台湾プレックスバイオ社では、新型コロナウイルスとその他の呼吸器感染症関連ウイルスの有無を同時に測定する検出法を開発中で、すでに試作品が完成し、今後台湾で実用化に向けた検証を行うとともに、日本での展開も検討していく。