三菱ケミカルは3月30日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたごみ袋が、京浜急行電鉄およびそのグループ会社が主催するビーチクリーンなどの清掃活動用途に採用され、3月27日より使用されていると発表した。採用されたごみ袋の素材は一定の海洋生分解性を有しており、製品として使用されるのは初めてとなる。
BioPBSは、同社が開発し基本特許を有し、同社とタイのPTTグローバルケミカル社が折半出資するPTT・MCCバイオケム社が製造する植物由来の生分解性プラスチックで、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特徴を有している。今年7月から開始されるレジ袋有料化をはじめ、プラスチックに対する環境配慮への要求の高まりとともに採用が増加している。こうした中、同社はBioPBSについて従来の土壌中での生分解性に加えて、海洋生分解性を高めた製品の開発を進めており、今回、実証実験中の素材がごみ袋に採用された。これを契機に海洋生分解性レジ袋などのニーズにも対応し、市場の拡大を促進していく。
京浜急行電鉄は、神奈川県と締結した「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」の一環として、神奈川県の推進する「かながわプラごみゼロ宣言」の賛同企業として生分解性のごみ袋の一部を「かながわ海岸美化財団」へ寄贈し、神奈川県内の各所で実施されるビーチクリーンで活用されることで、沿線地域および神奈川県内のプラスチックごみ削減に取り組んでいく。