環境課題テーマに共同研究 ダイキン工業、同志社大と  

2020年04月02日

ゴムタイムス社

 ダイキン工業は3月25日、同志社大学と環境課題をテーマにした実践的研究開発を目指し、包括的連携協力に関する協定書を締結したと発表した。
 
 同社が事業を通じて取り組む温室効果ガス排出の削減に向け、学術成果の社会還元をめざす同志社大学の、独自の環境技術や関連分野の知見、実社会での活用までを目指した実践的学術研究力を生かし、両者でCO2の回収・分解・再利用技術の実用化や、空調機のさらなる高効率化に取り組む。また、共同研究を通じた協創イノベーション人材の育成も進めていく。
 
今回の包括連携では、環境課題をテーマにした実践的研究開発を推進するため、大学内に『同志社―ダイキン「次の環境」研究センター』を設立する。同センターでは、同志社大学の独自技術である「CO2の電気分解技術」に、同社の「フッ素化学技術」を組み合わせた、新たな「室温環境下でのCO2回収・分解・再利用技術」の開発に取り組む。 また、同社が強みとするインバータ、圧縮機、熱交換器等の「空調の要素技術」と、同志社大学の特徴である「理論・基礎研究に留まらない実践的学術研究力」を融合し、各要素技術の最適設計を通じた空調機の高効率化の極限追求も目指す。

 同センターは、同協定に基づいた温室効果ガスの削減につながる実践的研究開発と、それを担う人材の育成に向け、連携の推進母体として同志社大学内に設置する。同志社大学、同社の双方から人材を派遣し、両者が密に交流しながら共同研究のテーマ立案、実行を推進する。

 環境課題に関する実践的研究開発として、同志社大学、同社の双方の技術を持ち寄り、まずは「CO2回収・分解・再利用技術の開発」「エネルギー損失の極限を追求する環境技術テーマの研究」の2テーマの共同研究からスタートする。研究テーマは今後拡充していく予定。

 なお、協定の期間は2020年3月から10年間、ダイキン工業から拠出する資金は10億円規模(初年度は設備投資を含む2億円規模)を予定している。

 同協定を通じ、同志社大学としては、世界に向けた総合的な環境に関する新たな学術の発信とそれを可能とする人物の育成、同社としては、環境技術の商品・事業化や、CO2の回収・分解・再利用まで踏み込んだ温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す。

『同志社―ダイキン「次の環境」研究センター』を設立

『同志社―ダイキン「次の環境」研究センター』を設立

 

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