積水化成品工業は3月30日、持続可能社会に貢献する高耐熱軽量発泡体「ST―Eleveat(エレヴィート)」植物由来グレードを開発したと発表した。
「ST―Eleveat」は、エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックを主原料とする発泡体で、特に高温環境下での使用に適している。近年、省エネや二酸化炭素排出量低減の観点から、自動車や輸送分野では構造部材の樹脂化やCFRPの活用などによる軽量化が進んでいるが、従来品では難しかったエンジンルーム内などの高温となる部位でも使用できる高耐熱、高強度な軽量構造部材を実現するために開発した。
今回、同社は環境保全に配慮した製品を求める市場状況から、高耐熱軽量発泡体「ST―Eleveat」シリーズに、植物由来の素材を適用した「ST―Eleveat」BIOを開発した。石油由来の原料を持続可能な植物由来資源に置き換え、発泡化技術を駆使して「ST―Eleveat」の新たなグレードを確立することに成功している。
「ST―Eleveat」BIOは、植物由来原料を使用しているため、カーボンニュートラルでCO2を増やさない、環境負荷の小さい製品。180℃×168hrs条件下の寸法収縮率は1%以下という耐熱性、UL94規格の燃焼性試験で「V―2」に適合する難燃性を持ち、非発泡樹脂成形品と比べ80~90%の軽量化が可能。また、ベース樹脂を5倍から10倍に発泡しているため、省資源の環境対応製品。