新型コロナウイルスの感染拡大で政府が7都府県に緊急事態宣言を発令したことを受け、ゴム関連各社が感染予防策を強化し、在宅勤務の拡大などの動きが広がった。
ブリヂストンは、タイヤ供給が物流や人の移動など社会インフラを支える必要不可欠な事業と認識していることから、従業員や関係者の安全確保に万全を期した上で、福岡県の久留米工場をはじめとする各工場で操業を継続する。各工場ではマスク着用などの施策を講じ、最小限の人員で対応する。また、本社等の事務部門では在宅勤務・時差出勤の対応を拡大する。
住友ゴム工業は、東京都、神奈川県、千葉県にある直営のタイヤ販売店「タイヤセレクト」を5月6日まで臨時休業することを決めた。また、東京都内の事務所を原則として在宅勤務とし、本社を含む兵庫県と大阪府の事業所では事務部門の在宅勤務の比率を引き上げる。
横浜ゴムは、本社と神奈川県平塚市の研究開発センターで在宅勤務を継続する。4月8日時点で、神奈川県の平塚製造所等の各工場は従業員の安全に配慮して操業している。
TOYO TIREは、緊急事態宣言の趣旨に全面的に協力する方針を決めた。従業員と関係者の健康と安全の確保を最優先とし、5月6日まで本社など7都府県にある同社グループの事業所を閉鎖し、必要不可欠な出社等を除き在宅勤務を実施する。この対応は、兵庫県の本社、タイヤ技術センター、基盤技術センター、東京都の東京支店、トーヨータイヤジャパン本社などで実施する。
信越化学工業は、感染防止の対応を強化し、従業員の健康状態の確認を従来以上に行い、在宅勤務を拡充して従業員の安全確保を図る。
住友化学は、当面の間、東京・大阪本社勤務者を対象に、自宅での勤務が可能な社員は原則として在宅勤務とする。東京・大阪本社以外については、感染リスクの地域性、通勤事情、業務への影響等を総合的に勘案し、各事業場の判断で対応を実施する。
三井化学は、社内対応を徹底し、5月6日まで7都府県にある本社、支店、工場、研究所で、交代勤務職場を除きテレワークを活用し、出社人数を極力絞る。本社汐留地区在勤者のテレワークも5月6日まで延長する。
クラレは、感染予防対策のレベルを引き上げ、7都府県で原則として在宅勤務を実施する。その他の地域でも時差通勤や在宅勤務の活用を拡大する。
バンドー化学は、在宅勤務等の対応を5月6日まで継続する。本社事業所、東京支店、大阪オフィスでは業務上出社が必要ない限り在宅勤務を基本とし、名古屋オフィスでは在宅勤務を奨励する。国内の各工場は、出勤前や入門時の検温などの感染防止策を講じ、操業する。
明治ゴム化成は、4月8日から東京事務所と大阪事務所の従業員を原則として在宅勤務とした。名古屋事務所も準備が整い次第在宅勤務を導入する。
東拓工業は、大阪本社および東京支店で受注業務所の移設とテレワークを実施する。5月6日まで、大阪本社の受発注業務はりんくう工場で実施し、その他の業務ではテレワークを実施する。また、東京支店の受発注業務は東京支店で実施し、一部在宅業務を行う。その他の事業所では受注業務の変更はない。
このほか、東レ、八興、右川ゴム製造所も緊急事態宣言の発令に合わせ、コロナ対策を強化している。