1950年の創業以来、風船の総合メーカーとして様々な商品を世に送り出してきた、墨田区にある㈱マルサ斉藤ゴム。
本紙では同社を7年前に企業特集として取り上げた。
同社は後継者を育成することと、海外へ販路を広げていく中で生産体制をどう拡充していくかを今後の課題としていた。
しかし、4月7日に発表された東京商工リサーチによると、新型コロナウイルス関連の影響を受け、倒産することになったという。
その要因として、子供向け玩具用ゴム風船の受注が主力取引先により減少し、生産量が減ったこと。また、新型コロナウイルスの影響により、中国や東南アジアからの材料仕入れが困難となっていほか、国内でのイベント自粛の影響で業況が悪化したとのことだった。
同社は子供の数が減少していくなか、大人や年配の人にも楽しんでもらえる風船として、国内で唯一の手作りゴム風船を持つ同社の技術と、デザインプロデューサーの名児耶秀美氏のアイデアが結びつき「マルサバルーンシリーズ」を販売するなど、新しい販路の開拓や海外市場への挑戦を行っていた。
今回の倒産で、日本で唯一の手作りゴム風船の技術が途絶えてしまうという残念な結果となってしまった。
2020年05月04日