JXTGエネルギーは4月17日、サウジアラビアにおいてENB(エチリデン・ノルボルネン)製造装置新設の事業化可能性調査(FS)を開始したと発表した。2020年代後半に年産2万3000tの能力を持つENB製造装置を新設する計画について検討を進める。
今回FSを開始したサウジアラビアでは、Saudi Arabian CompanyとTotal Raffinage Chimieが出資するAMIRALプロジェクトの原料供給を背景に、継続的な成長が見込まれるENB需要に対する生産体制の構築が可能となる。同社は、日米に次ぐ第3の拠点として、同地の既存顧客はもとより、世界の全顧客へ向けた供給体制を盤石とするために、ENB製造装置新設の検討を開始した。
ENBは、自動車の窓枠やラジエターホースなどに使用されるEPDMの製造に欠かせない成分であり、中長期的に見込まれる世界的な自動車生産の増加に伴い、同成分の需要も堅調に拡大すると見込まれている。
同社グループは1979年の日本での生産開始以来、日米にて生産体制を拡大してきており、現在日本に1系列、米国に2系列の製造拠点で世界最大となる年間6800tの生産能力を有し、北米・欧州・アジアのタンクターミナルから成る供給ネットワークを通じて、世界で事業展開している。
同社は、2040年JXTGグループ長期ビジョンに掲げる、付加価値の高い誘導品事業への進出・海外展開等を通じて、顧客の多様なニーズに対応し、アジアを代表するエネルギー・素材企業を目指すことにしている。