三菱ケミカルホールディングスは4月20日、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズ(DEV)を通して、牛乳たんぱく質のカゼインを原料とした生分解性ポリマーを製造・販売するフランスのラクティプス社に出資したと発表した。両社は、今回のパートナーシップにより海洋プラスチック問題をはじめとする世界規模のプラスチックごみ問題へのソリューション実現に取り組んでいく。
ラクティプス社のバイオ由来の生分解性ポリマーは、海水でも完全に分解する素材であり、水溶性、ガスバリア性および可食性といった多様な特長を有しながら、従来のプラスチックと同様に熱成形や押出成形等の加工が可能となっている。
三菱ケミカルホールディングスは、生分解性ポリマーのBioPBSや水溶性フィルムのハイセロン等の環境に配慮した製品やサービスを提供することで、プラスチックにおけるサーキュラーエコノミー推進に向けた取り組みを強化しており、今回のラクティプス社への出資によりその取り組みを加速させる。
DEVのパトリック・スエル社長は、「ラクティプス社が製造するバイオ由来、生分解性かつ可食性のポリマーは、埋め立てや海洋へのプラスチック流出を削減できるゲームチェンジャーになると確信しており、多様なプラットフォームを持つ当社の取り組みにも貢献するだろう。両社の連携により世界のプラスチックごみ問題が解決されていくことを期待している」と述べている。