合成ゴムは、タイヤや部品など自動車向けを中心に多様な分野に需要が広がるが、2019年は米中貿易摩擦を端緒に世界経済が減速した影響を受け、自動車関連を中心に需要が全般的に弱まった。
合成ゴム工業会がまとめた19年の生産実績によると、合成ゴム全体の生産量は153万1092tで前年比2・4%減となり、2年連続で減少した。
品種別に見ると、タイヤ向けを中心とする汎用ゴムでは、SBRが同6・3%減、BRは同0・8%減。19年の自動車タイヤの生産は同0・1%減(JATMA調べ)と微減だったが、汎用ゴムの生産はこれ以上の落ち込みとなった。
特殊ゴムは、NBRが同0・1%減、CRは同2・7%減、EPTは同6・2%減だった。NBRは、工業用ゴム部品を中心に需要が堅調で1~9月までは生産量が前年を上回っていたが、通年ではマイナスとなった。ラテックスを中心に需要が底堅かったCRと、自動車部品向けを中心に需要が安定していたEPTも、前年のプラスからマイナスに転じた。
2020年に入ってからも、需要の回復は見られず、合成ゴム工業会が
2020年05月04日