グループ好業績で増収増益 積水樹脂の20年3月期

2020年05月01日

ゴムタイムス社

 積水樹脂の20年3月期連結決算は、売上高は677億2700万円で前期比1・0%増、営業利益は103億5300万円で同2・7%増、経常利益は108億6000万円で同2・0%増、当期純利益は71億6700万円で同1・6%増となった。関連グループ会社の好業績が売上に寄与し、増収増益となった。

 製品別に見ると、交通・景観関連製品では、防音壁材は高速道路等における更新需要により、前年同期並みとなった。 路面標示材は、自転車道整備や通学路安全対策にカラー標示材が採用されたほか、ドライバーへの視覚効果による注意喚起を目的とした貼付式路面標示材「ソリッドシート」が高規格道路における逆走防止に採用されるなど好調に推移した。
 防護柵製品は、車両から歩行者を守る交差点対策に車両柵が採用されるとともに、施工性の高い歩行者用防護柵「フレックスロープ」が各地の交通安全対策や用水路安全対策などで採用され、大きく伸長した。
 一方、交通安全製品は、生活道路におけるカーブミラーの設置増加が売上に寄与したものの、車線分離標「ポールコーン」が高規格道路での設置工事が一巡した影響で前年同期を下回った。

 スポーツ施設関連製品では、グラウンド用人工芝は、サッカー・野球・ホッケーなど各競技に特化した製品の機能性を評価されたものの、オリンピック関連需要が一巡したことから物件減少の影響を受け、前年同期を大きく下回った。

 住建材関連製品では、めかくし塀は、地震対策としてブロック塀改修用途に採用されるとともに、防音めかくし塀が居住地域などにおける騒音対策を中心に受注が増加し、売上は伸長した。メッシュフェンスは、集合住宅や物流施設を中心に採用されるとともに、熱中症対策として小中学校のエアコン設置が増加するなか、室外機周りの安全対策に採用されるなど、堅調に推移した。一方、装飾建材は、首都圏再開発や宿泊施設、マンション内装の受注は増加したが、商業施設向け什器物件の大幅な減少により、売上減を余儀なくされた。

 総物・アグリ関連製品では、梱包資材は、主力の梱包用結束バンドが環境意識の高まりを背景に市場ニーズに対応した製品提案が評価されたものの、輸入品との競争激化や荷物の小口化に伴う大口需要減少の影響を受け、売上減を余儀なくされた。 アグリ関連製品は、農業・園芸分野ともに、天候不順を原因とする資材全般の需要低迷の影響を受け、前年を大きく下回る成績となった。

 通期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染の収束が見通せない現時点で多岐にわたる不確定要素があり、適正かつ合理的に業績への影響を算出することが困難であると判断し、公表を延期するとしている。

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