【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情48 マレーシアのゴム産業(前編) 加藤進一

2020年05月20日

ゴムタイムス社

 新型コロナウイルスの影響で、世界中が混乱しています。世界のゴム産業を俯瞰してみますと、中国は2月から3月にかけてタイヤやゴム工場がシャットダウンしましたが、4月になり再開しました。しかしフル生産には戻っていません。ヨーロッパでは4月末までタイヤ工場が停止していましたが、続々と再稼働を始めています。米国はまだタイヤ工場が止まっていますが、そろそろ稼働を始めるとのニュースがきています。

 さて、この時期にゴム製品の注文が殺到しており、工場をフル稼働したいという国があります。その国はマレーシアです。マレーシアのゴム製品は天然ゴム、ゴム手袋、OA機器ゴム部品があります。世界中から医療用ゴム手袋、衛生用ゴム手袋の注文が殺到しています。ゴム手袋のほとんどが、マレーシアとタイで生産されています。マレーシアでは年間80万トン、タイで70万トンぐらいのゴム手袋が生産され輸出されています。ゴム手袋の原料は天然ゴムのラテックスやNBRラテックスです。

 作り方については天然ゴムの木からラテックスを採取し、それに防腐剤のアンモニアを加えた後、手の形をした金型を浸け、オーブンで乾かし加硫したら、ゴム手袋の出来上がりです。

ゴム手袋製造ライン

ゴム手袋製造ライン

 マレーシアで最大のゴム手袋メー

全文:約1032文字

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー