タキロンシーアイの20年3月期連結決算は、売上高が1394億3200万円で前期比7・4%減、営業利益は73億7200万円で同18・8%減、経常利益は76億1100万円で同17・3%減、当期純利益は130億9100万円で同104・8%増。純利益は、連結子会社における固定資産の譲渡による特別利益の計上があり、増益となった。
建築資材事業セグメントは、売上高が463億1000万円で同4・5%減、営業利益は33億3800万円で同3・5%減。住設建材事業は、主力のポリカーボネート製採光建材において台風被害に対する復旧需要の収束とその反動により減収となった。サイン事業は、企業向けサインが大幅に落ち込み減収となった。床・建装事業は、床部門でマンション改修工事における増税特需後の反動が継続し、売上は低調に推移した。建装部門は、国内の建築物件向けが堅調に推移した一方、海外では新型コロナウイルス感染拡大の影響による中国、アジア市場向け案件の遅延が発生し、事業全体の売上はやや減収となった。
環境資材事業セグメントは、売上高が556億3900万円で同10・1%減、営業利益は13億8100万円で同24・3%減。アグリ事業は、西日本を中心とした昨年度の災害復旧に伴う張替え需要が収束したことに加えて増税特需後の反動も重なり、第3四半期に入り全国的にハウス用資材の需要が減少した影響を受け、主力の農業用被覆フィルムを始めハウス関連資材全般で苦戦し、減収となった。インフラマテリアル事業は、台風被害による災害廃棄物の受入れに伴う土木シートの需要増に加え、エンジニアリング分野の底堅い推移があったが、ハウエル管の販売や公共工事の物件遅延があり、減収となった。
高機能材事業セグメントは、売上高が172億6700万円で同8・8%減、営業利益は13億1300万円で同29・9%減。高機能材事業は、第4四半期に入り主力の工業用プレートの売上が半導体設備投資復調の兆しを受け増加したが、それまでの落込みをカバーするに至らず減収となった。各種エンプラ素材は、きめ細やかな地域販売施策の実行やPE板の物件獲得等で増収となった。
機能フィルム事業セグメントは、売上高が196億8400万円で同5・5%減、営業利益は11億5500万円で同41・3%減。機能フィルム事業は、ジッパーテープは日本国内、アジア、欧米を中心に堅調に推移し増収となった。シュリンクフィルムは、第3四半期以降日本国内および北南米市場ともに堅調に推移したが、第2四半期までの落ち込みをカバーするには至らず、セグメント合計で減収となった。
通期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、国内外の経済活動の停滞や、消費者の行動変化による影響が不確定であり、現時点では終息時期の見通しが立たない状況であるため、合理的に算定することが困難であることから未定としている。
2020年05月11日