オカモトの20年3月期連結決算は、売上高が905億300万円で前期比3・5%減、営業利益は73億4500万円で同15・4%減、経常利益は85億5100万円で同14・5%減、当期純利益は34億8900万円で同45・7%減となった。売上減少による稼働率の低下や設備更新による減価償却費の増加、物流コストの増加等により、減益となった。純利益では昨年の台風で浸水被害にあった福島工場の復旧作業費の発生が影響した。
セグメントのうち、産業用製品は、売上高が578億200万円で同4・0%減、セグメント利益は26億1000万円で同32・0%減。一般用フイルムは市況低迷の影響により売上減、工業用フイルムは半導体関連およびステッカー用が堅調に推移したが売上は前年並みとなった。建材用フイルムは自動車加飾用が中国市況低迷の影響で売上減となり、多層フイルムは工業用の需要が堅調で売上増となった。自動車内装材は北米市場の悪化および中国市況の低迷による生産台数減により売上減。フレキシブルコンテナは台風により福島工場製造設備が被災した影響で売上減となった。粘着テープは包装用テープおよび養生用テープの販売が堅調に推移し売上増。工業用テープは、電材用の需要増加にともない売上増となった。食品衛生用品は、台風により福島工場製造設備が被災した影響で売上大幅減。食品用脱水・吸水シートは、畜産向け新規獲得があり売上増となった。
生活用品は、売上高が324億7300万円で同2・4%減、セグメント利益は64億8600万円で同1・2%減。コンドームは、国内でのインバウンド需要の勢いは緩やかになったが、新商品の販売が堅調で売上増となった。除湿剤は、台風により福島工場製造設備が被害に遭い、売上減。手袋は、家庭用および理美容向けは堅調に推移し、また新型コロナウイルス感染症拡大による作業用途向けの需要が急増したが、クリーンルーム向け等が苦戦し、売上は前年並みとなった。メディカル製品は、産婦人科向けプローブカバーが好調で、売上増。ブーツおよび雨衣は、降雨日が少なく暖冬の影響で売上減となった。
21年3月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、現時点では合理的な見積りが困難であるため未定としている。
2020年05月13日