東ソーの20年3月期連結決算は、売上高が7860億8300万円で前期比8・7%減、営業利益は816億5800万円で同22・8%減、経常利益は859億6300万円で同23・9%減、当期純利益は555億5000万円で同28・9%減となった。
ナフサ等の原燃料価格および海外製品市況の下落による販売価格の下落に加え、景気減速に伴う販売数量の減少により、減収となった。営業利益は、販売価格の下落が原燃料価格の下落の影響を上回ったことによる交易条件の悪化等により、減益となった。
セグメントのうち、石油化学事業は、売上高が1591億4000万円で同13・5%減、営業利益は102億9900万円で同23・1%減。エチレン、プロピレンおよびキュメンは、定修日数の増加による生産減および景気減速に伴う需要減により、出荷が減少した。また、ナフサ等の原燃料価格および海外製品市況の下落により、製品価格が下落した。ポリエチレン樹脂は、太陽電池封止膜用途で輸出が増加した。また、ナフサ価格の下落を反映して製品価格は下落した。クロロプレンゴムは、アジア向けを中心に輸出が減少した。利益面は、原燃料価格の下落による交易条件の改善はあるものの、販売数量減少の影響が上回った。
クロル・アルカリ事業は、売上高が2973億5600万円で同11・9%減、営業利益は281億9800万円で同38・7%減。塩化ビニルモノマーは、生産減に伴い出荷が減少した。塩化ビニル樹脂は、生産増に伴い出荷が増加した。また、ナフサ価格および海外市況の下落を反映し、塩ビ製品の製品価格は下落した。
21年3月期の業績については、新型コロナウイルスの影響が日々深刻化する中、現時点では不確定要素が多く合理的な予想の算出が困難なことから、業績予想は未定としている。